生姜焼きについてあれこれ考える【食べ歩き編】

生姜部だより第2号 2009年8月28日

「生姜焼きを調査せよ」。

このミッションを遂行すべく、4人の生姜焼き部員が立てた作戦は、料理のジャンルやお店のタイプを分類して食べ歩き、比較検討することでした。すると、「定食屋さん/居酒屋さんのランチ/大衆中華食堂系」「街の洋食屋さん系」「カフェ系」「喫茶店系」「とんかつ屋さん系」「大学学食系」といったバリエーションが浮上。さっそく各ジャンルのお店を調査し、都内某所に集合。報告会を開きました。

 

ーーまずは定食屋さん/居酒屋さんのランチ/大衆中華食堂系からいってみますか。報告書の写真を見ると、ほとんどが薄切りのもも肉やバラ肉を使ってますね。

A「ランチタイムを中心に調査したんですが、とにかくボリュームで勝負!ってお店が多かったです。たれは濃いめで、ごはんをがっつり食べたい人にはいいんじゃないかと。ゴマやマヨネーズがトッピングされているのも結構あって、あれ、あんまり生姜の味しないじゃん、というものもあったんですけど……」
B「たまねぎと一緒に炒めているのも多いですね。かさを増やすっていうのもあるけど、濃いめのたれなので、たまねぎの甘味を入れることでバランスをとろうというのもあるのかしら」
C「いわゆる中華食堂にあるってパターンも多いんですけど、考えてみれば不思議ですよね。味はというと、甘めの味付けをする店が多かったのと、限りなく野菜炒めに近いものを“生姜焼き”って言っているところもあった(笑)。まぁ、中華食堂における生姜焼きの位置づけも、はっきりしないところがあるし、これぞ生姜焼き!って感じが少ないのは、仕方ないのかな」
D「中華にはあんかけ料理が多いから、生姜焼きにも小麦粉をわりと多めにふるのかしら。旨味を閉じ込めてくれるといいのだけど、ぬちゃ、っていう食感になってしまうところもあって……これは好き嫌いが分かれるかも」

 

(写真)定食屋さん/居酒屋さんのランチ系の生姜焼き

 

 

ーーなるほど、ランチの定番だけに、飽きのこない味というか、最大公約数的な味が多いのかもしれませんね。街の洋食屋さん系はどうでした? 生姜焼きを看板メニューにしているところもあるみたいですが。

D「定食屋系よりもごちそう感”がある店が多かったです。それだけ値段は高くて、定食屋系の600円から1000円ぐらいに対して、1000円から1500円ぐらいはしました。お肉は切り落としじゃなくて、肩ロースやロースの厚めのものを、2枚、3枚と出すところもあって。厚切り肉だと、家で作るとき焼き加減によっては硬くなっちゃうこともあるけど、さすが、お店のは違いますねえ。池袋の某店に行ったんですが、ジューシーに仕上がってて、満足感がありました」
A「鉄板で出すお店もあったんですが、いつまでも熱々だと、脂身が適度に柔らかくなっておいしかったですね。街の洋食屋さん系は、たれに独特のこくがあったり、生姜の風味がしっかり効いていたり、なんかちゃんと『生姜焼きを食べたなぁ』って感じがしましたね」

 

(写真)街の洋食屋さん系の生姜焼き

 

 

ーー次はカフェですが…カフェにも生姜焼きのメニューってあるんですね。なんか意外ですが。

B「“カフェ飯”といえばワンプレートか丼で出すものが多いですけど、生姜焼き定食を出しているところもあるんですよ。しかも量も多めで。聞いてみたら、お客さんのリクエストで始めたそうです。トッピングや付け合わせはさすがカフェって感じで、おしゃれに演出してました。お肉は薄切り系でしたね。余談ですが、どのカフェも1950年代風の家具、ナチュラルなテイストが共通していまして、くつろぎ・まったり系なところが多かったです」

ーー味は?

B「ウチはご飯も自信あります、というお店のものは美味しかったです。定食屋には行きづらいという、雰囲気重視の女子にはいいかも」

 

(写真)カフェ系の生姜焼き

 

 

ーーBさんは喫茶店も食べ歩いたんですよね。そういえば、昭和な雰囲気のレトロ喫茶には、必ずといってもいいほど生姜焼きのメニューがあって、そうなると、カフェに生姜焼きがあるのも納得がいくというか、ルーツは喫茶店なのかもしれないですね。報告書を見ると、大きめのロース肉が多いですね。

B「古くから営業している喫茶店に聞くと、同じお肉屋さんとずっと取引しているんですって。信頼の味、って感じでした」
D「洋食屋さん系よりお肉は若干薄めですけども、おいしそうですね」
B「おいしかったです。750〜850円の価格帯で、コストパフォーマンスはいいと思いました。お皿に盛ったライス、お箸で食べるというのがレトロ喫茶風ですね」
C「そうかー、常連さんばっかりなのかなって、入りにくい感じもするけど、結構穴場なんだ。今度行ってみよう」

 

(写真)喫茶店系の生姜焼き

 

 

ーー穴場といえば……じつはとんかつ屋さんであえて生姜焼きを食べる、っていう裏技?があるみたいですね。

C「そうなんですよ!(力入る)中目黒のお店に行ったんですが、めちゃくちゃおいしかったです。ここはヒレ肉を使っているんですけど、やっぱりとんかつ屋さんは豚肉を知り尽くしているんだなぁーって納得。まさに特製、って感じのたれは、“生姜すりおろし感”がしっかり口の中に広がりました」
D「私が行った大塚のお店は、主役のとんかつより高い値段なんですよ。とんかつが1600円で、生姜焼きがなんと2200円。オーダーするのに勇気が必要だったんですが、これがもう、絶品でした。とくに柔らかい肩ロース肉を使っているそうで。カリッと焼くよりは蒸し焼きみたいに、たれがたっぷりかかっているんですが、これが厚切りのお肉にぴったりでした」

 

(写真)とんかつ屋さん系の生姜焼き

 

 

ーー生姜焼き好きなら、一度とんかつ屋さんで食してみるなり……と。では最後に番外編というか…学食系に行きましょう。部員最年少のAさんはこないだまで大学生でしたから、潜入してきてもらいました。

A「懐かしかったです(笑)。どこの大学にも必ずあるものなのかなと思っていたんですが、定番ってわけでもないみたいです。値段は500円以下が多くて、フライとセットになっていたところは600円で、これは一緒に行った男子がおいしい、おいしいと喜んでましたけど、女子にはキツかった。某大学では塩ベースの変化球生姜焼きを出していたんですけど、生姜好きの私としては直球がいいです。あと、単品250円というスーパープライスな生姜焼きも某大学で食べましたが…お肉がペラペラで…まぁ、値段を考えれば妥当なのですが(笑)。味は薄味、生姜ほんのりで、悪くない、って思いました」

 

(写真)学食系の生姜焼き

 

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以上、あくまで生姜焼き部員の独断と偏見でお送りしてきたレポート、いかがでしたか。何度も書いてしまいますが、食べれば食べるほど、こんな味もありか!と、その奥深さに感嘆した部員たちでした。「生姜焼き道」は果てしなく長く、探求はさらに続きそうです……。

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